タイユヴァン
9月5日パリ出張最終日、飛行機に乗る前の昼食をTAILLEVENTで取る。
内装は木を基調としたモダンな感じ。
名家の40代夫婦の家といったところ。
年配の男性客が多い。
ヨーロッパのこういう店は昼でも女性客のみのグループは少なく、男性が多数を占める。
そして、料理業界関係者なおやじ1人客がかならずいる。
1:30には満席。年齢層が高く、店内の写真を撮るのがはばかられた。
右上にある紙は年別ワインの出来をチャートにしたもの。
小さくて便利。
まずはチーズのプチシュー。
これはこれで店ごとに違う。
シャンパンと一緒にいただきながらメニューを決める。
水はシャテルドン。
デグスタシオンのコースは140ユーロのものと、190ユーロのものがある。
アラカルトのメニューも魅力的なものがあり悩んだが、デグスタシオンの190ユーロの方にしてみる。
パンは1種類。
もちろん美味しいが、パリでまともなパン屋のはどれも美味しい。
バターはさすがに甘さが際立っていて旨い。
テーブルの花もモダン。
1人なので、ハーフワインにする。
ソムリエのオススメで選んだのはブルゴーニュのPOMMARD GRANDS ESNOTS(MICHAEL GAUNOUX)の1999年。
70ユーロ。
隣のおやじが覗きこんで「いいワインだ」と。
際立ってベリー系で酸味が強い。
アミューズはノワゼットのスープ。
とてもよい香りと濃厚な味だけど、ノワゼットかと言われると?
クルトンが薄くパリパリで、口の中に入れたときに邪魔にならない。
前菜の1皿目はイチョウガニ。
赤ワインの前にグラスでブルゴーニュのシャブリをいただく。
蟹をアネット風味のレムラードソース(マヨネーズみたいなもの)で和えてあるもの。
酸味のほとんどないソースで強調された蟹と、まろみと香りの素晴らしい白ワインが絶妙な組み合わせ。
ランゴスティンのロティー。
下に柔らかく火を通されたアーティチョークがいる。
半生でとろける。クミンのようなスパイスが使われていた。
魚はマトウダイ。
細切りのバジルをのせ、かすかに衣を付けてソテーしたもの。
日本人的にはもう少し焼きがあまくてもよかったかも。タイのギシギシした歯ごたえが気になった。
目の前でいちぢくの葉から出されるメイン料理。
フォアグラです。
いちぢくのコンポートを一緒に。
絶妙な焼き加減。
もちろん、いままでで最高のフォアグラ。
口飽きさせないのに、まったりとした芳香がある。ほんとうにとろける。
いちぢくにはシナモンが刺してあった。味や香りを強く感じるほどではないアクセント。
フォアグラには、やはりいちぢくが最もよく合うと思う。これぐらい重くないと負ける。
羊のチーズをケーキ状にしたもの。
下に振りまかれたのはトウガラシ。
羊チーズならではの臭い、甘味と塩分が上手く組み合わされたケーキと、さくらんぼのジャムのさわやかさ、トウガラシのほんのりとした辛さと複雑な構造が成功している。
上にはパルミジャーノをパリっと焼いたもの。
カリカリしたものを加えるあたりも抜かりなし。
デザートは1度に運ばれてくる。
チョコレートだけのミルフィーユ。
やはりフランスのチョコレート菓子はきっちりと濃くてよい。
ミラベルのコンポート。きんかんのような感じ。
白ワインのソルベを添えて。
ソルベをコンポートに入れて食べる。
蓋のパイがまた旨い。上質なバターがふんだんに使われて、中に浸して食べるとうっとり。
プチフールは普通。
コーヒーも普通。
とにかく、料理、サービス、ワイン、店内のしつらえ、全てが完璧で長年三ツ星を維持してきたのがよくわかる。ブレがないところが、おやじ達が常連になる理由だろう。
前回のムーリスと比べると、あそこが二ツ星でここが三ツ星なのはさもありなんというところ。
個人的には、どこか笑っちゃうような面白さがあって欲しかったかなという気もする。
そして、ワインはやはり素晴らしい。
総額はチップ入れて333ユーロ(成田の換金レート:1ユーロ=153.87円)。
12:30に入って、15:30に終了。
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