アルキメーデ
神泉のアルキメーデは胃袋自慢な、だからといって不味いものは口にしない人々向けのお店。
6,000円のコースのみ。
内容は大量の前菜、プリモは1グループにつき1種類が選べ、他にスペシャリテという「魚介たっぷりなシチリア風ペスカトーレ」が出る。セコンドは1人1皿を選ぶ。そのセコンドのメニューは上から下に量の多い順に記入されていて、一番上の「かくまさんが育てた豚肉 骨付きスネ肉の5時間ロースト」は1キロという巨大さ。「食べきる自身のある方のみ注文してください」という注付き。
デザートは盛り合わせで、プチフールも出る。
あまりの量の多さに対する酷評もよく目にしていて、ずっと行きたかった店。
味に対して好評価をしている人も「最後まで美味しく食べられない量を出すな」というほどの、けっして腹八分では返さない心意気。
このシェフが以前、下北沢の無二路にいたときにボリュームはもちろん、その豪快ながら深みのある味も気に入っていたので、久しぶりに体験するのを心待ちにしていたのだ。
まずはパン(もっと美味しいバゲットにすればいいのに)と一緒に豚肉のリエットと鶏レバーのペースト。
カリフラワーのズッパ。
これ、プリモとして1皿分いただきたいぐらいに滋味深い。
前菜6種は魚介のマリネ、ペペロナータ、レバーとマッシュルーム(??)のマリネ、茸のマリネ、サーモンとオレンジなどが入ったマリネ、ズッキーニのカポナータ。
マリネもそれぞれ味が違って退屈しない。
ワインはシチリアワインが並ぶ。
赤のトリプディウムをいただく。ネロ・ダヴォラ、シラー、カヴェルネ。ソーヴィニヨンのブレンド。
豚肉でルッコラの野生種セルバティコとツナマヨネーズを巻いたもの。
この豚肉がしっとりと味が濃い。
ヒシコイワシのマリネ。
パルミジャーナ・ディ・メランザーネ。
茄子、トマト、チーズをミルフィーユ状に重ねて焼いたもの。
茄子のカポナータには松の実が入ったりして、ズッキーニのものとは違う味わい。
マリネやカポナータのバリエーションばかりでも、ちゃんと味に区別が付けられている。
ムール貝のパン粉焼。
若い玉葱のグリル。
荒めに刻んだ鰯の団子。
選んだプリモはお魚とカリフラワーのトルテッリ、リコッタチーズと小エビのソース。
口に入れた瞬間「ぐわっ!!」と唸る旨味。想像よりも魚のエキスが濃厚で、この日最も感動した一皿。
ペスカトーレはさすがに美味しいが、ここでなきゃというものでもない。
トルテッリの素晴らしさを考えると、やはりプリモは2皿とも選びたかった。
パルミジャーノの代わりに炒ったパン粉が添えられる。
魚介にはチーズはかけないものだから、これはコクと出すのに最適。
販売すればいいのに・・・。
メインは窒息仔鴨のグリル、リゾット添え、ボナユート(シチリアのモディカにある菓子屋のチョコレートで、昔ながらの製法で作られ、ザラザラした食感とスパイスの風味が特徴)の香り。
リゾットは長い米のアルデンテ。
同席者は黒毛和牛モモ肉、キノコノペーストとモッツァレラの重ね焼き、マルサラソース。
モッツァレラが牛の重さを増すので、量以上のボリュームあり。
もう一人のはイベリコ豚のロースト、グリーンペッパーとレモンのソース。
デザートは3種盛り合わせ。
パンナコッタ、オレンジシフォン、ベリータルト。
プチシューとボナユートのチョコをお茶と一緒に。
本当に腹がパンッパンで、次の日も昼過ぎまで食べられなかった。
だからといって、量だけが特徴なのではなく、またコレを食べたいと思わせる工夫がある。ただし、アラカルトはないので、やはり大食いな人にしかオススメはできない。小食(または普通の食欲)の人が行くべきではないかと。
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