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2007年9月 4日 (火)

ル・ボヌール 再訪

ランチで食べて、むちゃくちゃ気に入り、ずっと来たかったル・ボヌール

席に着いたところ、シェフが挨拶に出てきてくれ、前回接客してくれた女性の給仕の方が辞めたと言う。もともと、期間限定のお手伝いだったとのこと。ご主人も料理人で、二人でお店を開くのだとか。
彼女はその前にとあるレストランでお世話をしてくれ、プロであることが明確な気遣いや、うまく盛り上げてくれる説明が印象深かった。ボヌールでも彼女の芝居がかった(良い意味で)語りは健在で、だれもを自分が特別なお客であるかのように感じさせていた。
この間のランチの時、何か素敵なイベントがあるときにはご連絡いただきたいと思い住所を残していったので、その後、珍しい食材が入って数量限定で出すという手紙が届いた。
残念ながら日程が合わず、今回の再訪となったのだけど、シェフが彼女と話した際に、私が予約が入れている旨をわざわざ報告してくれ、「ご案内を出しておきながら辞めてしまっていて申し訳ない」ということづけがあった。
こういう細やかな気遣いをしてくれる彼女やシェフにはなかなか出会えないし、そんなチームがこの店の素晴らしさの一つでもあったので、とても残念に思う。
彼女にはまたどこかの店で接客していただきたいものだ。

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喫茶店の居抜きっぽさが否めない店内。
ここを紹介してくれた友達が言う通り、少し明るすぎるかもしれない。
写真を撮るし、料理は色が見えないと旨さ半減だとも思うので、明るいのは大歓迎。でも、店内がシンプルなので、あまり明るいと雰囲気というものがなくなってしまう。あとほんの少しだけトーンを暗くしてもよさそうだ。
近所に住む人たちが家族で利用したりすることが多いそうなので、ムーディーである必要はないのだろう。気楽ではある。

頼んだのは、4皿・デザート・お茶で7,000円のコース。
他、3皿で5,000円、5皿で9,000円がある。

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まずは自家製の柚子とシャンパンの食前酒。
テーブルに運ばれてきた時点で柚子の香りが。
甘くはなく、シャンパンのキレが残っているのがうれしい。

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アミューズ・ブーシェは秋刀魚のマリネ。
生の秋刀魚と火を通したものが合わせてあり、茗荷も入っている。

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ワインはブルゴーニュの白で、ロベール・ドゥノジャンのミュルジー・ドゥ・リモザン。
自然派だった。
樽香があり蜜、熟したフルーツ。なので、最後までこれで問題なし。

これ、シェフがすすめてくれたのだ。

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ウニ、甲殻類(オマールだっけ?)のジュレ、ウニ入りやわやわかき卵(というか卵クリーム)が層になった冷たい前菜。

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上にはキャビア。
ウニの生臭さを卵が消して、ジュレが深みを加えている。
こういうの、確実にあがるね。

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すっごく美味しいのだけど、量が十分すぎるような。
最後までうっとりと飽きずにいただけるのだが、こういう濃ゆい料理は少ないぐらいが丁度よいかと。3分の2くらいの量だったら、「あーーー、これをどんぶり一杯喰らいたいーっ!」と思いながら、また食べに来る。

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前菜2皿目は温かいフォアグラのソテーにとうもろこしのアイス、ソルベ、チップスを組み合わせたもの。フォアグラに粗塩がふってある。
1皿目も濃かったから、フォアグラ無しで、この間のようにとうもろこしのソルベスープでもよかったかも。と思いつつ、フォアグラの脂と粗塩、さわやかな甘さのとうもろこしを一緒に口に入れると至福。

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鯛と松茸。
貝や三つ葉も入っている。
松茸の香りをめいっぱいしみこませたバターソースは土瓶蒸しを思わせる出汁の強さ。
たっぷりの松茸が贅沢。

ここの料理は和の素材をふんだんに用いながら、仕上がりはがつっとフレンチ。

この間シチリアに旅行したときに感じたのが、洗練された店で凝った料理を食べても、ちゃんとシチリア料理であること。東京で洒落たイタリア料理屋に行くと、パスタ以外はフランス料理との違いが見えないと思うことがしばしば。
同じ素材を使いながら、違った国の料理として変化をつけるのは、いったいぜんたい何なんだ??
まあ、和食とフレンチは明らかに異なる調味料だけどね。

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メインは鴨のロースト。きれいな焼き色。
ジャガイモやルッコラ添え。

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ハツや皮、腿部分もいる。

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パッションフルーツのスフレ、そのままパッションフルーツ、ココナッツのソルベ。

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スフレの上がカリッカリのキャラメリゼ。

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友達はお願いして、桃のデリスにしてもらう。
丸くくり抜いた桃の上に、桃(?)のソルベ、バニラアイス。ミントも。

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使われたのは、平べったい形の蟠桃(バントウ)という日本では珍しい桃。中は黄色く、白桃と黄桃を組み合わせたような味。
これ、この間の旅行のとき、ローマで見たね。

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プチフール。

やはり旨いです。また来ます。
でも、あの給仕の女性がいなくなってしまったのは痛いなあ。
ここはシェフが説明上手だけど、いつも表に出ているわけではないし。
新しい人は親切でも、あまりに楚々としすぎていて、転がされたい人間には物足りない。
シェフも入れて3人くらいでやっている店だと、給仕の人のキャラクターって、素晴らしい料理を存分に味わうためにすっごく大切だと思うので。

料理が出てくるのが遅いことがあったり、ワインが注がれなかったりするときがある。

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