ラトリエでジビエ
いつもご一緒していただく常連さんが去年から飯塚シェフにリクエストをされていて、ジビエの入荷と日にち的な都合とがなかなか合わず、やっと実現したお食事会。
まず、結果から言ってしまうと、本当に感動的なひと時だった。
ラトリエ@六本木ヒルズではいつも美味しい思いをさせていただいているのだが、その中でも一番の満足度ではなかったかと。
ジビエも大好きで、そこそこ食べている方だと思うし、匂えば匂うほどよいという趣味だが、この日の尾長鴨の一皿はジビエというある種の物珍しさや面白おかしさというのを抜きにして、料理として素晴らしかった。
シャンパン(ブルーノ・パイヤール)をいただきながら、アミューズ・ブッシュ、トマトの泡と赤ピーマンのムース。
ホセリート社のハモン・イベリコ・デ・ベジョータ。
ワインはグラスで。
次のお皿に合わせておすすめされたのは、オーストリアの白。
ニコライホフ・グリューナー・フェルトリーナー。
キレがいい。
フランス産白アスパラ来ました。
剥いた皮を煮た汁で茹でているそう。
日本人好みの歯ごたえを残した白アスパラは、野菜ならではの土っぽさや甘味がダイレクトに感じられる。
卵を使わないシンプルなビネガードレッシングが最適。
ピエ・ド・コッション、軽くマスタードを効かせて、タルティーヌにトリュフをのせて。
このトリュフの厚み…。
一口食べて、全員絶句ののちに感嘆。
八角と共に煮込まれたと思われる豚足と耳のゼラチン、カリっとしたパン、トリュフ、完全なコンビネーションで補い引き立てあう素材たち。
こちらは地鶏卵、ゆっくり火を入れ、クミンの香る茄子のコンポートにのせて。
塩と油の加減の巧みさは再現不可能。
でも、組み合わせだけでもまねしたい一皿。
オススメいただいた鱈料理。
鱈、小蛸、ムール貝、玉葱の甘さを感じるパセリなグリーンソース。
鱈も蛸も半生でみずみずしく、完璧な火の入れ加減。
下にいる荒ピューレ状ポテトも一緒に口に入れる。
あの豚足の後でも、さらに盛り上げてくれる旨さ。
魚料理にはコルシカの白。
前にもいただいたことのある、ドメーヌ・レヌッチ。
前回はアンチョビソースに野菜料理に合わせていただきました。
どちらもよい組み合わせだったし、このワイン自体が好き。
ジビエに合わせて、シェフのオススメはロワールのドメーヌ・サン・ニコラ。
ピノ・ノワールが90%とはびっくりの土っぽさ。
本当にぴったりでございました。
「ワインが美味しければ料理との組み合わせなんてどうでもいい」という人が「マリアージュ」と口走るほどに。
そして、今まで食べたジビエの中でも最高ではないかと思う尾長鴨の一皿(鶏並みの記憶力ゆえ、以前食べたものをあまり鮮明に思い出せないというのもあるのか ??)。
散弾銃でなく、罠で仕留めたものだそう。
上のササミもジビエらしい芳香が満載。
たくさんの材料を組み合わせたソースにもごっそりトリュフ。
もちろん、ちゃんと香りを感じるが、トリュフで食べさせるわけではなく、あくまでスパイスの一つとして他と調和している。
ソースがジビエの野性味を底上げして、邪魔なクセを除く。
付け合せのチーズ(パルミジャーノ ?)のニョッキも旨い。
周りがこおばしくて中ほっこり。
鴨とソースと一緒に食べるのもいい。
手羽(?)などはサラダと共に。
色々な菜やハーブ、酸味を抑えたドレッシングも、計算された組み合わせ。
盛り上がると腹に余裕ができる。
チーズをいただく。
左はエポワス。
右はなんて名前だったかねえ。セミハードで、初めて食べたバスクのチーズ。
チーズに合わせて、3種の違った赤を。
ダヴィド・デュバンのオート・コート・ド・ニュイ 2005。
トーレスのマス・ラ・プラナはカヴェルネ100%。
リオハのラ・モンテサ。
お口直しはバジルのソルベとベリー。
金柑のデザート。
ソルベ。
金柑、キャラメル、チョコレート、クランキークッキー。
今までここでいただいたデザートの中でもトップクラスです。
苺ミルク。
ピスタチオの泡クリーム、練乳、そして苺。
ちゃんとピスタチオが香り、練乳の甘さ、最後に苺のフレッシュな酸味と畳み掛けるように。
これまた秀逸。
いや~~~。本当に全てが言葉では言い尽くせない美味しさだった。
初めて会う人同士がいたのだが、もともと食事の好みは合うようで、しかもこの料理達、ハイパーに楽しい一夜となりました。
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