ピエール・ガニェール
ANAインターコンチネンタルホテルで再オープンしたピエール・ガニェールにてランチ。
なくなっちゃわなくてよかった!
36階の広いスペース。
良く晴れた休日。
お料理と通じるセンスのしつらえ。
パルメザンとハムのパイ、ほうれんそうのフィナンシェ、生姜のビスケット、ギモーブは何だったか?
シャンパーニュはランソンのドゥミ・セック。
甘さが後々の料理にも会う。
オープンしたてということもあり、ご本人がいらっしゃいました。
かっこよくてびっくり。芸術家のたたずまい。
パンは自家製で、栗のパンとバターのパン。
カンパーニュ。
栗のパンは、本当にほっこりとした栗の味がして、単体でワシワシと食べてしまう。
1本目の白はレオン・ベイエのゲヴェルツ・トラミネール 2008。
お花の香り。
ランチはコースのみ3種。
最も皿数の多い10,000円のコースにする。
壮観。
そして、ガニエールらしく小さな前菜がずらりお目見え。
フレッシュハーブの香りを付けた温かいブイヨン。グリンピース、ソラマメ、イベリコハムと共に。
旨味が濃い!
様々な歯ごたえの楽しさもある。
サクラマスのコンフィー、柚子の香りをつけたグレープフルーツのジュレ。
こういう組み合わせが何気なくまとまっているのが、さすが。
さまざまな春野菜を抹茶とアーモンドのソースで。
抹茶がこんなアレンジで!しかも、美味しい。
人参が軽く酢漬けにされていたりと手も込んでいる。
このソースを栗のパンにつけて食べたら、これまた美味。
マッシュルームのギリシャ風、柔らかく煮たタコと共に。
お皿の縁にペタリといるのが本当に柔らかく味の染みたタコ。
フランス料理では珍しいような。
トマト煮込みと共に、地中海風?
小さな丸い粒はモッツァレラ。
白いヒラヒラしたものは白キクラゲのようだった。
聞くと不思議な取り合わせなのだが、口に入れるとまっとうに美味しい。
ローズマリーの香りをつけたウサギのリエット、マンディアントーストを添えて。
前菜は蟹を浮かべたカルダモン風味の白アスパラのヴルーテ、緑アスパラのアイスクリーム、オレンジのアクセントをつけたアスパラの穂先と共に。
まずはそれぞれ別々に味わって、それから合わせていただく。
アスパラの味は土を感じさせる。
温度や食感で蟹の甘さと馴染ませているのか。
白2本目はオリヴィエ・ルフレーヴのサン・トーバン 2006。
最近、よく飲んでいるオリヴィエ・ルフレーヴ。
裏切らない。
魚料理。
尾長鯛のロースト、春キャベツと黒オリーブタギャスのマーマレード、甘酸っぱいウイキョウと共に。
キャベツたちをのせる前。
パリっ、そしてしっとりの完璧な焼き加減。
酸味とコクのバランスが素晴らしい。
尾長鯛のタルタル、三つ葉とトマトコンフィーを利かせて。
上にはこんもりとフヌイユ。
赤はベルナール・ドラグランジュのオークセイ・デュレス 1990。
1990年といっても、2年前までドメーヌのカーヴで熟成されていたそう。
だから、ラベルもコルクもきれい。
素晴らしい香り。
「香水のような」とはこれかと合点。
途中でミントも。
肉料理。
白金豚ロース肉のグリエ、茄子のポワレ、酸味のきいたチョリゾーとコリアンダー。
苦味、甘味、やわらかさ、カリっと、サクっと…色々な要素が混ざり合って、完全に一つになっている。
イカスミのピューレ、ニンニクを利かせた豚足と豚舌。
この一カケラにどれだけの手間がかかっていることか。
豚の美味しいところが詰まっている。
デザートたち。
パッションフルーツなど…(記憶喪失中)。
いや、プチなものたちそれぞれが、いちいち美味しいのよ。
和なお菓子(ってなんだろうねえ…)。
和菓子のような。
むっちりした生地の下はさっくりしたビスケット的なものとクリーム。
奥はウイスキー?のゼリー。
チョコレートのアレンジ各種。
お茶菓子。
オリジナリティとクリエイティヴィティをがっつりと感じるのに、口に入れると、なんだか懐かしささえ感じてしまう。とにかく、ただ美味しい。
頭で考え、理解しようとする必要がないのだ。
写真を見返しつつ、デッサンをきちんとしていないと抽象画を描けないとか、正式な書体をマスターしないと崩して様にならないとか、そんなことを考える。
やっぱり料理は舌で美味しいと感じることが全てだよなあと。
こんなに素晴らしい機会を与えてくださったご夫婦に感謝いたします。