ザ・ペニンシュラの食とワインのイベント、シルク・キュリネールには魅力的な企画がたくさんある。
この日は、ずっと楽しみにしていたヴェガ・シシリア・ワインメーカーズディナー。
以前に別のところでヴェガ・シシリアのワイン会に参加をされたワイン通なムッシュが、後日、大興奮を語ってくださった。
というわけで、この企画を聞いた瞬間、参加決定。
ヴェガ・シシリアのワインたちに合わせて、お料理も特別なものが用意される。
シェフは通常のパトリスシェフの他に、レ・ルレ・ドゥ・オゼネ(フランス)のフローリアン・ジローシェフも。

夜のピーターはいつも幻想的だ。

まず、Oremus Dry Furmint Mandulas 2006。
ヴェガ・シシリア所有のハンガリーのワイナリーのもので、通常は貴腐ワインに使用される葡萄での白ワイン。
だからか、香りが甘い。でも、飲むとドライ。

帆立貝のロースト、オレンジのコンフィとオニオンベールのベルジュソース。
ナッツが添えられている。
オレンジの香りとナッツが南国のイメージ。
ワインの甘い香りとぴったり。

ハマチのマリネ、ピペラード、ハムスのミント風味、ライムヨーグルトドレッシング添え。
胡麻のガレット的なものと一緒に。

Pintia 2006。
南らしいワイン。
家にあったら、重宝しそうな。

サルシフィ風味のオマール海老のスープ、南瓜とミニロメインレタス。
茹でたのと、焼いたのと、2種類のオマール。
オマール出汁が濃ゆいスープ。

Alion 2005。
いきなり洗練された。
明らかに違う。
ここから後のワインは、シルキーで深く厚い。

平目のロースト、茸のシヴェと牛の骨髄、フォアグラのヴルーテ、根菜と共に。

Vega Sicilia Valbuena 5 Anos 2000。
バランスよくまとまっている。
これは、ウニコのセカンドというより、全く別の個性のワイン。
どちらが好きかは、好みの問題。

小鳩のロースト、スパイスを効かせた軽いソース、パースニップのムースリーヌ、コンフィにしたパセリの根、紫人参のサラダ仕立て。
小鳩自体の、肉としての獣らしい美味しさに目を見張る。

Vega Sicilia Unico 1981。
81年なのに、フレッシュ。
最初はボルドー、そこからブルゴーニュ、そして南仏、最終的にUnico独自の個性。
ご一緒したムッシュが「まるで旅をしているような」と表現していたが、まさに!
獣的な香りが独特で、忘れがたい。
その名の通り、唯一無二。

スモークした鹿肉のオーブン焼き、赤キャベツのキムチ仕立て、南瓜ムースリーヌと花梨のマーマレード。
キムチ仕立てなどという強い味にも負けないUnico。
この後のワインのボトルを撮り忘れた。
Oremus Tokaji Aszu 5 Putonos 1999。
ドライワインに貴腐葡萄のペーストを5杯加えた甘口ワインだそう。

軽くキャラメリゼしたパイナップルのタルタル、胡麻のチュイルとアイスクリーム。

ヴェガ・シシリアの力強く、でも洗練されて、個性のあるワインたちに乾杯。
お得感があり、貴重な会。
次回も参加したいものだ。
ご一緒してくださった皆様に感謝を!