蒲田を地元とする友達が、いつも楽しそうに飲み歩いている。
キャマタ、または惑星と呼び、ハシゴで飲み歩くことをキャマロールと名づけている。
蒲田への深い愛を感じるではないか。
ぜひともご一緒させていただきたいとお願いしていたところ、やっとの実現。
キャマロール。
蒲田訪問は、ずいぶんと前に餃子を食べにきて以来。
14:30に待ち合わせ、まずは光屋という日本のワインが充実した酒屋で、後の店に持ち込むワインを購入。
ここの酒屋、お店の人が合わせる料理を丁寧に説明してくれるし、日本酒も焼酎の品揃えも豊富だ。

さて、まず入ったのが立ち飲み居酒屋、銀次郎。
覗き込まないと中の様子が伺えないため、連れてきてもらわなかったら、ドアを開けることすらできないディープな外観。
年季の入った絨毯張りの床が、ぺったんぺったんと粘度を帯びている。
が、料理はママが丁寧に作ってくれる。
まず、ビールとハイサワーで乾杯。
遅れている他のメンバーを待つ。

目の前で具を包み、パリッパリに焼いてくれた餃子。

夕顔のあんかけ。
車麩入り。
あんのまっとうな美味しさに驚いた。

他の人が頼んていたレバニラを、こちらにもお願いします。
ニンニクを炒める匂いにそそられ、頼まずにはいられなかった。
もやしザクザク。
ガツンとニンニク、塩分も強め。
常連のおじさんが、自分が頼んだものを「つまんでみな」と持ってきてくれたり。
この店のアジフライは、小鯵の素揚げであることを知る。
みんなが揃うのを待っていたら、予約の時間となってしまった。
本当は、その前にあと2軒くらいご案内してくださる予定だったそうな。

うえ山。
有名な揚げ鶏の店。
本日のご案内役である友達が、事前に予約をしてくれていたのだ。
完璧な段取り。
人気店なため、我々が食べている間にも、満席だと断られるお客さんが何組もいた。

500円で前菜3品。
この日は5人でスタートだから、全種類いけるね。

全て手作りな11品。
自家製ニンニクダレで戻した切干し大根、煮卵、小魚のぐき煮、お漬物、酢の物、レバ煮、もずく酢、茄子とピーマンの味噌炒め、ポテサラ、鰯煮、水菜とツナのサラダ。

友達が飲んでいたレモンサワーのプレゼンテーションが素敵。
先ほどのお通しの小皿や、お店の外観、内装のちょっとした設えにセンスがあるなと思っていたら、こちらのママがオシャレなのでした。

光屋で買って持ち込んだワイン、その1。
小布施ワイナリーのソーヴィニョン・ブラン 2011。
グラスがエッフェル塔で、お茶目。

まずは、ハツ。
カリっとした外側と、ジューシーな内側。
こりゃ、美味しい!

手羽先。
鶏の脂って、旨いよなあ。

ムネとモモのセット。
前菜とこのセットを1人で食べて、軽く飲んで帰っていく1人客もちらほら。
その気持ち、わかります。

切り分けてもらう。
と、ここで遅れていた最後の1人もやってきた。
6人で2セットが丁度良い量。
このまま食べても、揚げ具合塩加減共に完璧で美味しいのだが、途中からこちらのママお手製のニンニク醤油ダレをつけて食べると、さらにスパーク。

きっちりと揚げられた皮は、カロリーとかコレステロールとか、そんな概念を吹き飛ばすに十分。

持ち込みワイン、その2。
シオンのクレマチス 2009。
まろやかな発泡ワインが、揚げ鶏にハマる。

うえ山でもワインを置き始めたそうな。
コート・デュ・ローヌの赤、ニコラ・ペラン。
冷蔵庫に入っていたから、冷たすぎる。
飲むなら、ちょっと前に出しておいてもらうべき。

やさしく、しみる、鶏出汁スープ。

持ち込みその3は、赤かと思ったら、白だった。
アルカブランカのクラレーザ 2010。
清潔に保たれている店内は、居心地もよい。
でも、席を占有するわけにはいかないし、酔っ払った方々は、涼みに出てしまった。
我々も、次に移動しますかね。

先に出た友達は、すでにシーライルー(喜来楽)の2階に陣取ったそうな。
噂に聞いていた、線路脇の台湾料理屋。
目当ては、台湾出身で働き者なママの料理。
蒲田のママたちは元気だ。

これ!!
まさに台湾の味。
薄い葱餅で薄焼き卵と味噌ダレを巻いてある。
美味しいねえ。
葱餅大好き。
むっちりとして、塩気と油、葱の香ばしさ。
お代わりもした。

2階はトイレ付きの座敷個室で、でっかいスクリーンでテレビも見られる。
茹でホルモンときゅうりの和え物と、叩ききゅうりに辛い味噌。

自家製辛味噌各種が、マジで辛い。
が、ちょびちょびとつまんでしまう。
特に豆鼓。

冷蔵庫になぜか、モエのロゼがある。
お店のお父さんに値段を聞いたら、「わかんない。貰いもんだから。3,000円くらいでしょ?」。
そ…、そうでーす!
ということで、モエのロゼ。
ちゃんとシャンパングラスもありました。
ありがとう、お父さん!

干し豆腐の和えもの。

こちらは、同じ干し豆腐でも太めの。炒め。
干し豆腐は、台湾から持ってきているのだそう。
日本のとは少し違うのだと。

緑筍はパック売りのもの。
台湾の酸味控えめで甘いマヨネーズと。

具沢山のスープは、出汁が濃くて深い。
旨いわあ。
すり潰した魚と豚挽肉を混ぜたもので出汁をとり、それをそのまま具にして、野菜と卵を加えてある。

クセのある香りの紹興酒も。
テレビで懐メロ歌謡祭をやっていて、出てきて歌う往年の大スターたちを見つつ、盛り上がる。
こまどり姉妹、お元気なのですね。
友達と美味しいものを食べながらテレビを見るの、楽しすぎる。
このまま、ここに泊まりたいところだ。

魯肉飯。
スパイス控えめ。
ママがあえて控えめにして、旨味をごまかしたり消したりしないようにしているそう。

干し豆腐の卵焼き。
ゴソっと葱。
歯ごたえの妙。

牡蠣と春菊の卵焼き。
牡蠣にこれでもかとまぶされた片栗粉のおかげで、ムチムチもっちり。
スイートチリソースを思わせるソースで。

デザートに梨をくれた。
料理は日によって変わるらしく、ママに聞きながらオススメのものを食べるものだそう。
この日食べて美味しかった品が、次回もあるかはわからないそうだ。
何を食べても美味しかったので、問題なし。
このままいると、帰るのを忘れてしまいそうだ。
重い腰を上げる。

蒲田には、気になる店がたくさんあるなあ。

最後に〆ますか、と、ニュータンタンメン本舗へ。
名前の通り、独自アレンジのタンタンメンの店だそう。
卵入りだというので、みんなで1つを頼んで、様子を見る。

スーパージャンクなことよりも、もんのすごいニンニク臭に負けた。
2口でギヴっす。
ともあれ、大人の遠足って、楽しいなあ。
信用できる友達が案内してくれるということが、何よりの贅沢。
ありがとうございました!!
蒲田にも、再訪必至。
次回は肌寒くなったころですかね。
楽しみにしておりまっす。