オーセンティック から ドラス
ちょっと早く着いたので、前から気になっていた福ちゃん。
赤星をゴクっとやって、シンプル・イズ・ベストなソース焼きそばをズっといく。
キャベツ以外の具を感知できないが、旨い。
キャベツが入っていない具だくさんなソース焼きそばと、キャベツだけ入っているソース焼きそばだったら、私は迷いなく後者を選ぶ。
本日のメインはオーセンティック。
暑いときにクーラーのない、通路からの扇風機だけが頼りな激暑い店で食べるのがイイんだ。
前回も、こんな暑い時期だった記憶。
浅草姉さんが手配してくれたおかげで、スペシャルコースが用意されていた。
冷蔵庫から出されたとたん、みるみるぬるくなるビアハノイも、甘んじて受け入れよう。
生春巻き。
ブンが入っていて、むっちり。
ピーナッツ味噌な甘じょっぱ辛いタレで。
平貝貝柱のネギ油風味。
ぎゅっとつまったような貝柱に、ネギ油とニンニクの香り。
スペシャル揚げ春巻き。
きっちりと巻かれたパリパリの皮の中には、肉だけでない色々な旨味がつまっていて、甘めのタレとホーリーバジルやミントなど、たっぷりのハーブとで食べると、悶絶。
何本でも食べたい。
焼きナスのゴイ。
とろりと甘いナスや叩いた海老などの具材が混ざった、味の奥行きと歯触りの多様さ。
ビアサイゴンには氷を入れてくれたので、ほっと一息。
ヘビ瓜とアサリのスープ。
アサリ以上にアサリ。
出汁は偉大ですな。
そこに、シャクシャクとヘビ瓜。
ヘビ瓜を見せてくれた。
確かに、ヘビだわ。
フレッシュ金針菜のトーチー炒め。
トーチー味噌の濃縮した旨味。
しばらく、残った味噌をなめなめ、ビールを飲む。
このトーチー味噌、瓶詰で売ってくれないだろうか。
キャットフィッシュのトロピカルソース。
パイナップルが入って甘酸っぱいソースは、自分では頼まないだろうけど、食べると美味しい。
中華のパイナップル入り炒めとはまた違っていて、より軽やか
ホワッと揚げたキャットフィッシュによく合う。
ベトナム料理は総じて甘味を積極的に使って、多重にし、バランスを取っているように感じる。
それに、ここの甘さはベタっとしていない。
聞いたところ、通常は白い砂糖を用いるところ、オーセンティックでは三温糖を使っているとか。
普段頼まないものを食べて見直すことができるのも、コースの良いところ。
ハーブどっさりなベトナム式ハーブステーキ。
豚挽肉のレモングラスそぼろ飯。
これを食べて、浅草姉さんはオーセンティックにハマったそうだ。
よく混ぜてかっ込むと、香りが口から鼻からあふれ出す。
いやー、ハマるね。ハマるよ!
と思ったら、鶏肉のフォーもやってきた。
両方食べたいと言った友達のため、出してくださったのだ。
ありがとうございます!
フォーをすゆいと思うことが多いのだけど、ここのはみっちりと出汁が効いている。
チェーって、初めて食べた。
美味しいものだね。
マンゴーがごっそり、ドラゴンフルーツや亀ゼリー的なもの、タピオカ、プリンも入った甘い汁。
ここのベトナム料理は、違う次元の美味しさがある。
残暑のうちに、また来ましょう!
さて、ドラスへ。
暑い中でワーッと食べた後、ゆったりと美味しいお酒を飲みたくなる。
ドラスのマスターが酒紀行から戻られたというから、その成果をいただきに。
コニャックで、おすすめなものをお願いする。
Chateau Montifaud L50。
浅草姉さんには、ラニョー・サブラン 1988。
2杯目に出してくださったのは、よりまろみと一体感が増していた。
それがグラン・シャンパーニュの美味しさなのか。
コニャックについての知識が無さ過ぎる。
ドラスで説明を聞きながら飲むと、少しずつ理解が深まるようで、楽しい。
ちょっとしたつまみは、少し手を加えて、江戸前的にしているそう。
この日はドライマンゴーをブルゴーニュブランで、いちぢくをポートで戻していた。
戻し加減にも配慮あり。
隣の方々がポートの年代別試飲をされていて、そそられる。
心が満たされて、帰路に就く。