最終日はちょっと早く出られるので、モスコヴァの辺りを散歩。
グロムに似たジェラート屋で、ピスタチオとマロンクリーム。
バルに座って1人アペリティフ。
アペロルソーダ。
土曜日の夕方だからか、家族、カップル、友達同士と、色々な単位でおしゃべりに興じている。
若者たちはオシャレバルの前に集う。
イタリア人って、よく、広場や通りにこうやって集まって、立ちっぱなしで長時間話している。
脚が頑丈だね。
コルソ・ガリバルディで、ちょっとおフレンチな雰囲気の白いこじんまりしたレストランが気になって、入ってみる。
L'INCORONATA。
新しい店なのではないかな?
グラスのワインが赤、白いくつかずつあって、選べるのが楽しい。
それにしても、完全に外な席。ここ道じゃん。
中は予約で満席だそうだ。
メニューの字もオシャレな感じ。
アルファベットに慣れない日本人には、やっかいだけど。
通りがかりの地元っぽい人々が、「あ、この店初めて見た!かわいい!」とメニューをチェックしていったり。
隣の若いお嬢さん2人も、以前に通りがかって気になって、来てみたのだそうだ。
プリモは軽くレンズ豆のスープ。
ゆるめのピューレ状で、少しスパイシー。
ここは、エスニックなアレンジのイタリア料理の店であるらしく、メニューにはエジプトの料理も並ぶ。
で、セコンドはファラフェル。
ひよこ豆のコロッケのようなもので、コリアンダーソースが添えられている。
揚げ物は裏切らない。
付け合せにルッコラとトマトのサラダを頼む。
料理は丁寧に作られていることがわかるし、ベタっとしておらず重くなく、美味しい。
女性だけが働いている。
皆、親切だが、まだサービスに不慣れなのか、メニューが上手く通っていなくて長時間待たされた。
待っている間、周りのイタリア人を観察。
グループに1人は超おしゃべりがいて、ずーーーっと白熱して話し続けている。
よくもそんなに長くテンションを保っていられるものだと眺める。
33ユーロぐらい。
また来てみようかな。
翌日に昼、ミラノを発って、日本へ戻った。
まだあるミラノ。
ご一緒した人が以前に行って、店の作りに昔ながらのイタリアレストランを感じたというAlla Collina Pistoieseで夕食。
天井の高さ、時を経たようなこっくりと深い木の色、イタリアにいるなあという気持ちにさせてくれる店内。
ちょっとお金持ちな大家族が長くテーブルをつなげて食事をしていそうな。
ワインはオススメされたロンバルディア、Ca del Boscoの赤。
CURTEFRANCA。
前菜はカルチョーフィのサラダ。
上にパルミジャーノがたっぷりと。
セロリとオリーブオイルの香り。
こちらは空豆ペーストと半生海老の前菜。
フンギ入りラグーもご一緒した人のセレクト。
こちらのプリモはフィオリ・ディ・ズッカ(ズッキーニの花)のタリオリーニ。
オイルベースかと思ったら、さすがミラノ、クリーミー。
メインは2人で分けました。
タリアータ。これが半分。
ちゃんと厚みがあって、ミラノで食べた中では好みに近い方。
デザートは黄桃のコンポート、ビスケットを種のように見立てて。
前回、ランチで来たTrinacriaに、夜、仕事関係の方々との食事で再訪。
お通しはドライトマトのピッツェッタ。
白ワインはBianco di Nera。
シチリアに旅行したときに飲んだことがあるな。
極微発泡。
プリモはパスタ・コン・レ・サルデ。
こういう料理の、舌にずーんと重く浸透するような奥行き感は、イタリアで食べていることを実感させてくれるものがある。
プリモの代わりに前菜を選らんだ方は、イワシのベッカフィーコを。
セコンドにいただいたモスカルディーニ(イイダゴ)のトマト煮が、どうにも塩辛すぎた。
他の料理を頼んでいた人々も、セコンドではあまり満足できなかったと。
ここは日本人にとって塩辛すぎるものが多いようだ。
前回も食べた、強烈に甘いカッサータ。
はっとするほどに甘いのだが、美味しい。
ブロンテ産ピスタチオのジェラートは、ピスタチオ度が高く、旨い。
カンノーロの大きさ、リコッタクリームの濃厚さ、甘さが本場っぽい。
塩辛い料理以外は美味しいし、雰囲気も好きだけど、再度来ることはなさそう。
ミラノに昼頃着いて、ホテルに荷物を置き、すぐに向かったのはLa Latteria。
3月にはなかったドアのプレートが盛況と発展を感じさせる。
中は相変わらずの食堂で、安心。
この日は珍しく空いていた。
常連さんらしいおじさんも「今日は席が選べるな」と。
自分の畑で採れたズッキーニのピューレに玄米。
もったりとしたピューレに玄米の歯ごたえがアクセント。
じんわりと、やさしく、身体に馴染む一皿は、旅行時に最適。
この店は土曜と日曜がお休みなのだけど、その時に畑仕事をしているのか。
食べ物に対する愛情とこだわり。
ここの料理を食べると、彼らが畑を持つのは「だろうね~」という感じ。
MAGATELLO ALL'INGLESE CON INSALATA MISTAはローストビーフの極薄切りとミックスサラダの上にのせたもの。
味付けをレモンか酢かと聞かれて、レモンにした。
サラダにはオイルとレモンがかけられている。
デリケートな肉は軽いながらも味わい深く、様々な葉野菜の混合したサラダと一緒に口に運んでいると、山盛りだった皿はいつのまにか空に。
ここの手作りドルチェは、満腹に鞭打ってでも食べなくちゃ。
黄桃のフラン(というか、タルトだね)。
白い桃は日本のがみずみずしく甘いと思うが、ヨーロッパで食べると、黄桃の美味しさに驚く。
水とコーヒーをいただいて、計41.00ユーロ。
さて、この日の夜、同じくミラノに入ったばかりの友達と夕食をすることになっていた。
で、やっぱりラッテリアに。
そもそも、彼女がこの店を教えてくれたのだ。
夜はやはり満席。
でも、食べたら出るが暗黙の了解な店だから、すぐに座れる。
ランチが遅かったし、夜は軽めに、プリモ抜きで。
ローストしたポルペットーネとバター濃厚なポテトピューレ。
ローストした野菜達も自家菜園から。
ここはハウスワインのみ。
さらに、別の日の夜、仕事関係の人々をお連れしてみた。
大変満足していただけたようで、何より。
「CRUDAIOLAって何?」と聞いたら、おすすめだというので頼んでみた。
トマト、人参、玉葱、きゅうり、フェンネルをフードプロセッサーで細かく刻んだ、ガスパチョのようなもの。
そこに玄米(?)みたいな穀物が添えられている。
レモン風味の青唐辛子アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ・スパゲッティ。
レモンの香りと青唐辛子独特の香り、強烈な辛さがクセになる。
メインは仔牛の肝臓を玉葱と炒めたもの。
美味しいけど、ずーっと肝臓を食べ続けるのはムリがある。
口休めにコントルノも頼めばよかった。
こちらは牛肉のトマト煮にポテトピューレ。
丸ごとの胡椒粒や松の実がところどころでピリっと引き締める。
カニ肉たっぷりのズッパ・ディ・ペッシェ。
添えられたパンをちぎって入れながらいただく。
プルーンのタルトは上にアーモンドプードル。
本当に、ここは何を食べても美味しい。
ミラノは、ラッテリア通いつつ、土曜や日曜に行ける店を探す…ぐらいで良い。
ミラノの街には興味がないが、ラッテリアで食べるために来たいと思うくらいだ。
最終日は仕事が早く終わるので、店が開いている時間に街を歩ける。
たまたま通りかかったスカラ座近くのジェラテリア、GROM。
ちょっとした行列が出来ていたので加わってみると、ナチュラル志向のジェラテリアであるらしい。
ピスタチオと「懐かしいクリーム」味を食べる。
素材の味が濃く、美味しい。
2.50ユーロ。
で、夕食。
土曜日はLa Latteriaは休みだし、一人だし、どうするかなあ。
前にランチで行ったTorre di Pisaに行ってみる。
トスカーナ料理のレストラン。
あまり愛想の良くないマネージャーが、「予約が入っているけど、1時間で食べられるならどうぞ」と言う。
他の店をあたるのも面倒だし、一人だから時間もかからないだろうし、と座っとく。
なんと、店が拡張されていた。
儲かっているのね。
前菜にプンタレッレ。
定番のアンチョビソース。
季節が終わりかけだからか、微妙であった。
プリモはパスして、カルチョフィ添えタリアータを頼んだら、薄切り肉のソテーのようなタイプだった。
個人的に、このタイプはあまり好きではない。
フィレンツェでタリアータを頼むと、いつも炭火焼ビステッカを切ったものがやってきたので、ビステッカ(たいてい2人分から)を少量欲しいときのものという認識だったのだが、ミラノでタリアータと言って出てくるのは、ここのような焼き薄切り肉のことがほとんど。
分厚い赤身の肉を周りカリっと焦げ目、中は血の滴る状態に炭火焼きしたものが食べたかったので、残念。
隣のテーブルのカップルが頼んでいたビステッカ・フィオレンティーナは、立派なTボーンステーキで、うらやましく眺めた。
まだミラノ。
この日は友達と夕食。
Trattoria Masuelli S. Marcoで。
けっこう有名だけど、友達も私も初めてな店。
当日、しかも直前予約で「最後の1テーブル」と言われつつ席を確保。
お通しはポテトピューレにラルドをのせて。
ワインは前から飲んでみたかったホフスタッターのピノ・ノワール、Meczan。
香り高くて期待通り、で、17.00ユーロって安い。
前日の記憶がナマナマしく、身体を労わったプリモを。
レンズ豆のスープ。
ブロードが優しい塩加減でしみる美味しさ。
友達はラグーの手打ちタリオリーニ。
トマトでなく、サフラン入りのラグーって、ミラノらしい。
これまたイタリアにいることを実感できる、ほっこりと豊かな一皿だった。
疲れているときって生肉が食べたくなるのだ。
セコンドはカルネクルーダを。
さっぱりとした赤身ながら調味によりトロリとまとまっている。
松の実もコクを加える。
付け合せの野菜はなんだろ?
こちらはコトレッタ。
カリっと揚がっていると、見た目ほど重くない。
デザートがイマイチだったのが残念。
クレームブリュレとボネ(だったような?)。
我々の担当だったサービスの人、客にはとっても腰が低く親切なのだけど、仲間に対してはけっこうギスギスした態度で、底意地の悪さがうかがえたのだった…。
2人で97.00ユーロ。
体調の良いときに他の料理も食べてみたいと思わせる店だった。
魚介系レストランを当日に予約。
友達から教えてもらっていたところが、2人なら席を用意できるという。
展示会のある時のミラノはそこらじゅうで会食が行われていて、目ぼしい店は満席のことが多い。
が、2人ならどうにかなるようだ。
中央駅近くのal cuoco di bordo。
ちょっと寂しいエリアにあるので、行き帰りはタクシーで。
店の中は「イタリア!」な飾りで賑やか。
魚介で有名な店だけあって、海関係満載。
ワインはアルト・アディジェ、KELLEREI KULTERNのシャルドネ。
2人で前菜、プリモ、1つずつ頼み、セコンドをそれぞれに選んだのだけど、なんと、この店はもれなく魚介系前菜が大量に出されるシステムだった。
急いでセコンドを1つ減らしてもらう。
タコ・イカ・海老を茹でてマリネにしたものや、貝類のパン粉焼き…
ムール貝のワイン煮。
自分達で頼んだ前菜が、これまたタコ。
ジャガイモと組み合わせたサラダ仕立て。
タコがイタリアにしては硬かった。
日本的にはやわらかいが、イタリアでは、くんにゃりと顎に優しいタコにレモンをぎゅっとしぼったところを食べたいのだ。
プリモはスカンピ(?)のリゾット。
クリーミーなのがミラノっぽい。
個人的な好みとしては、南のトマト入りのがベター。
この、本場アルデンテのリゾットを食べたところで、胃痛に襲われる。
仕事中、ランチを取れなかったので、突然の食事、しかも消化の悪いものに胃が上手く機能していない。
で、トイレへ立つ。
トイレ前で並んでいたら、突然めまい、そして、気が付いたら、床にへたり込んでいた。
消化のため、胃に全ての血が行き、貧血で一瞬気を失っていたと思われる。
今まで、立ちくらみはあっても、倒れるということがなかったので、これには驚いた。
他の並んでいた人たちに支えられつつ席についたものの、目に見える光景は壊れたテレビのようにガッチャガチャ。
セコンドの鯛のレモン風味ソテーとコントルノに頼んだ野菜の炭焼きには手をつけられず。
カモミールティーをいただいて、回復したところでタクシーでホテルへ。
ご一緒した方には本当にお世話になりました。
この時のミラノは低気圧が来て、天気も悪く、いつも以上に時差ぼけがひどかったというのもあるかもしれない。
それにしても、やはり昼ご飯はちゃんと取ったほうがいい。
そして、己の体力を過信してはいけない。
確実に年はとっている。
「夕飯は軽くつまみ程度でよいですね」ということで、ホテルのフロントに近所のエノテカを教えてもらう。
新しい店っぽい。
奥は食事もできるトラットリアになっていて、手前はカウンターと簡易テーブル&椅子の軽飲エリア。
軽飲エリアでも、ワインを頼むとプロシュートやサラメののったパンなどのおつまみが出る。
チーズとジャムの組み合わせも。
タダのつまみで満腹。
エノテカだけにグラスワインも豊富で、店の人たちが皆親切、居心地がよかった。
使える店だ。
タクシー以外ではちょっとたどり着けないTrattoria Trinacriaはミラノのポルタ・ジェノヴァ付近にあるシチリア料理屋。
ここを見ていて気になっていたので、近所に用事があったついでに一人ランチで寄ってみる。
12:30ぐらいと早すぎだったため、まだ開店したばかり。
13:00には近所で働いているらしきの人々でほぼ満席になった。
白ワイン1/4をいただきながら、赤黄ピーマンのファカッチャ的なお通しを。
こちらのハウスワインはドンナフガータだと言っていたような。
金木犀の香りがして美味しい白。
プリモはドライトマト、フェンネル、レーズン、カッチョカヴァッロ、ノッチョーラのラグーでタリアテッレ。
もちろん、シチリア流にモッリーカ(パン粉)をかけて。
塩がかなり強いけど、ナッツやチーズのコク、レーズンの甘味、ドライトマトの熟成された酸味、フェンネルのエキゾチックな香り…色々な味覚が絡み合った複雑な美味しさ。
セコンドは仔羊のソテー。
ジャガイモ、オリーブ、レーズン、ケッパー、玉葱がトロリと乳化したソースとまとまる。
この濃度の味は日本で出会わないなあ。
シチリアでの食事を思い出す。
当たり前のことながら、ミラノは東京よりシチリアに近い。
フィレンツェ辺りでピッツァを食べたりすると、東京のほうがナポリに近かったっけ?と思うこともたびたびだが。
ドルチェにはカッサータを。
これが、目が覚めるほどに甘い。
どうしたらこんなに甘くなるのだろう?
でも、美味しいのだ。
まさしく、シチリアのドルチェ。
カフェと一緒に出してくれたお茶菓子も甘かった。
ナッツを砂糖で固めたもの。ヌガーというか、トッローネというか。
全部で40.00ユーロ。
また来たいなあ。
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